BULLYING: NHK Asaichi: いじめ対策 大人にできること What adults can do about bullying

11月21日(水)
いじめ対策 大人にできること

専門家ゲスト:山脇由貴子さん(児童心理司)、荻上チキさん(評論家)
ゲスト:室井佑月さん(作家)、玉ちゃんさん(タレント)
リポーター:塚原泰介アナウンサー
大津いじめ事件を受けて、国が実施した『いじめの問題に関する児童生徒の実態把握並びに教育委員会および学校の取組状況に係る緊急調査』の最終結果が11月に公表されます。隠蔽体質など教育現場への不信感はある一方で、国は今回を機に、いじめ問題に関しては積極的に指導する方針に変えました。調査結果にはそうした国の方針が表れるとみられます。そこで番組では、子どもたちが学ぶ教育現場において「いじめ」はどう対処されるのか、子どもをいじめから守る方法はあるのか、専門家やゲストの議論を交えて、お伝えしました。

どんないじめも命の危機につながりうる

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To enlarge click here: http://www.nhk.or.jp/asaichi/2012/11/21/01.html

国は、今年8月から、全国の小中高校にいじめの実態緊急調査を行っていますが、その中で、いわゆる『命を脅かしかねないいじめ』について報告を求めています。今、分かっているだけで250件あるといいます。

一方で、いじめに悩む子どもたちの相談にのっている、専門家ゲストの山脇由貴子さんは、どんないじめも命の危機につながりうると、親の注意を促しています。
荻上チキさんも、最初は「ちょっかいを出す」程度の行為を放っておくと、いつのまにかエスカレートしてしまい、命を脅かすものになりかねないと言います。

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有効ないじめ対策の共有を目指す「長野県教育委員会」

国のいじめの実態緊急調査依頼を受けて、長野県教育委員会は実態だけでなく、各学校で取り組んでいる「いじめ対策」について聞き取り調査を行い、有効な対策99個をリストアップしました。番組では、代表して3つをご紹介しました。

校内の空き教室をPTA室にして、親が常に常駐して子どもたちの見守りを行う
教師と生徒の交換ノートの記述内容から、生徒の友人関係の変化や気持ちを読み取る
教員全員でいじめの事実を徹底的に調べあげ、加害生徒への指導を行う
警察との連携

今年9月、国はいじめ問題に関して「警察との連携」を促進していく方針を発表しました。番組では、群馬県教育委員会が「非行」や「暴力」などの生徒の問題行動の解決のために、警察OBを嘱託員として学校に常駐させる取り組みについて、お伝えしました。校内の見守りや生徒への直接指導だけでなく、犯罪につながりかねない問題行動については、地元警察署の生活安全課に連絡して、共に解決をはかります。

いじめ予防教育

徳島県内の30の小中学校では、鳴門教育大学が開発した「予防教育プログラム」を試験的に導入しています。「自信の育成」「感情の理解と対処」「社会性」「ソーシャルスキル」の4つを効果的に高める内容になっています。昨年度行った学校では、75%のクラスでその4つが高まったという結果が得られています。番組では、「クラスの友達をほめる」という授業の様子をお伝えしました。友達からほめられる体験は、自信の育成に大きく関わるといいます。
予防教育を開発した、鳴門教育大学大学院の山崎勝之教授は、自信の育成に最も効果があるほめ方を以下のようにおっしゃっていました。

【自信を高めるほめ方】
本人が自覚していない良い所をほめる

ストップいじめ!プロジェクト

今年10月、評論家の荻上チキさんが中心となって、いじめ相談のスペシャリストや自殺対策の専門家、弁護士たち13名が力を合わせて、いじめ対策に取り組み始めました。

ストップいじめ!ナビ

ホームページ:http://stopijime.jp

ストップいじめ!ナビ上に、荻上さんたちが考案した対策や、調査内容が随時掲載されていきます。

【ストップいじめ!ナビ】
●相談窓口の検索システム
●いじめ攻略アイテム集
・あしたニコニコメモ
・いのちの生徒手帳
・いじめ発見チェックシート など

<今後の予定>
●いじめに関するデータ集
●教育メソッド集
●いじめ裁判の判例集
●警察・弁護士の使い方 など

また、ストップいじめ!ナビのトップページにも掲載され、番組の中でもご紹介した、子どものいじめ相談窓口はこちらです。

【子どものいじめ相談窓口】
チャイルドライン(18歳まで):0120-99-7777
24時間いじめ相談ダイヤル:0570-0-78310
子どもの人権110番:0120-007-110

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